| ヨーロッパ各地のホテルのフロントは、レセプションと呼ばれるチェックイン、チェックアウトの際にだけ立ち寄るマネージメントの機能と、滞在客の便宜をはかる「コンシェルジェ」と呼ばれる「よろず案内人」の機能とに分かれているのが普通です。
鍵を受け取ることから、モーニングコールの依頼、レストランの紹介など、有能なコンシェルジェがいるかいないかで、快適な滞在が約束されもするし、ホテルの格まで左右するといっても過言ではありません。
簡単な観光コースの手配から飛行機便の予約変更まで、気さくに応じてくれるし、日本出発前には一杯だった人気のコンサートの切符なども、コンシェルジェの電話一本で簡単に取れてしまったりすれば、旅の印象まで変わってしまう事請け合いです。
風格を感じるあごひげをたくわえ、いかめしい金モールのついた制服などをつけているので恐縮してしまい、チップなどあげたら失礼かなと感じますが、お客様のチップも彼等にとっては大事な収入源ですから、忘れずに渡さねばなりません。金額は、500円から1000円程度で充分です。
日本の旅館において、すでにサービス料が請求されているのにもかかわらず、義理で渡す部屋係りへの心づけなどと比べたら、結果をみてからあげるので、明瞭であり、後味もすっきりとして良いものです。
コンシェルジェはホテルの入口近くに陣取ってはおりますが、単なる門番の親玉ではありません。初めて訪れる都市であっても、何度か滞在経験のある街であっても、それぞれ遠来のお客様の目となり、足となり、口となってくれる、誠に頼もしいホテルスタッフの一人であり、仲良くしない手はありません。
原 好正 |